イギリスとの関係からみるマレーシア<前編>
マレーシアで2回目の独立記念シーズンを迎えました。
”シーズン”というのは、8月31日の独立記念日と、9月16日のマレーシアデーがあるから。
詳しくは昨年書いてみました。
昨年はロックダウンでお祝いムードはあまりなかったのですが、
今年は独立を宣言したムルデカ広場でのパレードなども復活。
特に2年ぶりということもあり気合が入っているようで、
夜通し並んでパレードを見ようという人たちなどで、ムルデカ広場周辺はごった返していたようでした。
私はゆっくり自宅コンドから、軍隊のエアショーを楽しみました。
この時期、マレーシアではとにかく国旗がいろんなところに飾られているのですが、
巨大なものも多いので、デカい国旗を巡る散策にトライしてみました~。
そして、この独立記念シーズンに飛び込んできたのが、
エリザベス女王(2世)が亡くなったというニュース。
エリザベス女王が即位したのが1952年、マレーシアがイギリス領から独立したのが1957年なので、
エリザベス女王が大英帝国の終焉の象徴といわれるのもうなずけます。
改めて調べてみると、エリザベス女王がマレーシアを訪れたのは1972、1989、1998年の3回。
日本は1回なので、やはり独立後も関係が深かったことがうかがえます。
そもそも、マレーシアは現在もイギリス連邦の一員。
イギリス連邦の正式名は「Commonwealth of Nations」、略称「コモンウェルス」で、
必ずしも英国王を元首とする必要はなく、現在は旧植民地など計54カ国が加盟しているそうです。
コモンウェルスのオリンピックにあたる「コモンウェルスゲームズ」もちょうど先月開かれていました。
イギリス連邦は総人口24億人超で全世界約77億人のほぼ3分の1。
GDPは11兆ドル超で、アメリカ(約21兆ドル)、EU(約18兆ドル、イギリスを含む)、
中国(約15兆ドル)に次ぐ巨大市場(いずれも2020年)。
イギリスがEUの脱退を決断できたのは、こうした独自のネットワークの存在もあったようです。
特に安全保障に関しては近年、「5カ国防衛取極」(英、豪、ニュージーランド、
マレーシア、シンガポールの5カ国が加盟する軍事同盟)の活動を活発化しているそうです。
こんな記事も見つけました。
この記事にもありますが、マレーシアの政治に長年影響を及ぼしてきたマハティール氏は、
イギリスで教育を受けなかった最初の指導者だったことが、
日本などアジアに学ぼうという「ルックイースト」戦略を打ち出した背景にあるようです。
普段の生活では、マレーシアの英語はイギリス英語なので、
グランドフロア、1階(実質2階)……、
持ち帰り=take away(アメリカだとtake out)だったり、
イギリスとの関係を感じることは多かったのですが、
改めて歴史的にも振り返るいい機会になりました。