タイプ―サム!~ヒンズー教に触れる
マレーシアの祝日は全国規模のものと、州ごとのものの2種類があります。
そして、この2022年1月18日はヒンズー教のお祭り「タイプ―サム」のため、
クアラルンプールやペナンなどいくつかの州で祝日でした。
タイプ―サムは、ヒンズー暦の10月(Thaiの月)に、プーサム(Pusam)という星が昇る時に行われます。
普通のカレンダー的には、日にちは年によって違いますが、1~2月の満月の夜です。
祝日になるのは1日ですが、祭りは3日間行われ、chariotという山車(?)が街を練り歩いたりします。
マレーシア各地のヒンズー教寺院で祭りは行われますが、クアラルンプールのが最大級で、
しかも私の家の近くをchariotが巡行すると聞いたら、見逃すわけにはいきません。
↑KLタワーと満月、chariotを一枚に写せたよ!
chariotの巡行は中華街にあるスリ・マハ・マリアマン寺院から、バトゥ洞窟までの約15キロ。
銀製の豪華なchariotは、今年は16日の夜10時に出発し、鳴り物を響かせ、ゆっくり練り歩きます。
途中10カ所程度に止まり、お供え物などを手にした信者らに祈りを授けたりしていました。
(出発日時や経路などの情報が少なく、早朝にバトゥ洞窟で行われるというタイプ―サムのお祈りが、
chariotが到着する17日か、祝日になる18日なのか、インド系の友人に聞いても今一つはっきりせず。
行きだけでなく、本当は帰りの巡行もあるらしく、来年以降用にルートマップを置いときます)
でも、この巡行は祭りのスタートに過ぎません。
奇祭ともいわれるタイプ―サムの醍醐味は、やはりバトゥ洞窟です!
そもそもタイプ―サムは、女神パールヴァティ(シバ神の妻)が
息子ムルガンに悪魔を倒すための槍を授けたことに由来するんだとか。
そして、バトゥ洞窟の入り口にドーンと立っている高さ42.7メートルの像こそが、
戦いの神ともいわれるムルガン。
スリ・マハ・マリアマン寺院でも、ご神体のようなものがchariotに乗せられていましたが、
ムルガンとその妻たちだそうで、バトゥ洞窟へ行って戻ってくるという流れになっているようです。
黄色(サフラン色)の服に、頭は黄色のサンダルウッド(白檀)のペーストで固め、ミルク壺を手にしている
典型的な信者の方。
バトゥ洞窟は子宝祈願に訪れる人も多いとかで、
ミルクを神に捧げるようです。
272段の階段は急こう配で、本当に足に来ます。
しかも裸足で上がるのが作法。上がる前には足の裏、特にかかとの辺をよく水で流すのがポイントです。
でも、私が本当に見たかったのは、カヴァディという飾りをかつぎ体中に串を刺した人たち!
槍で戦ったムルガンへの感謝を込め、針や串を体に刺し自らに苦行を課しているそうです。
本国インドでも危険ということで禁止されており、針男が見えるのはマレーシアなど一部のみで、
奇祭といわれる所以のようです。
でも、コロナの影響で厳しい人数制限などが行われていたためか、
今年は見かけることはありませんでした。ガックリ。
また、外国人はカラフルな272段の階段を上った先にある洞窟内にも行かしてもらえませんでした。
仕方ないので、多くの女性が髪につけていたジャスミンの飾りをつけて気分を味わいました。
このジャスミンの飾りの長さは、売っているおじさんの
手首からひじまでの長さが1単位。オモシロイ~。
動画の中で、僧侶が手首に結んでくれた赤い紐は
お守りだそうです。最初に名前を伝え、拝んでくれた後、結んでくれました。
また今回、禁止されていたものの一つが、chariot巡行の前のココナッツ割です。
ヒンズー教ではココナッツを割るのは、お清め的な意味合いがあるそうで、
お祝いなどでよくやるそうです。
インド系の友達とヒンズー教寺院にお参りした際に、ココナッツ割を見せてもらったので、
それも参考までに。
(お祭りではとにかくココナッツを道に投げて割りまくる感じなようです)
来年こそは、コロナが収束し、針男のリベンジが果たせますように!